記者の眼記者の眼

第284回 (2025年2月19日)

 10時間超に及んだフジテレビの記者会見。出席した一部の記者からの質問について、「質問ではなく自説を主張しただけ」「同じ質問を何度も繰り返していた」といった批判がネットなどで見受けられた。エネルギー業界を取材する記者として、質問の仕方や取材先との接し方についてあらためて考えさせられた。

 

 正しい情報を得るには、取材先との関係を保ちつつ、適切な質問を投げかける必要があると思う。また、他の取材先への事実確認あるいは記事の執筆時に、その情報源が特定されないよう配慮することも大切だろう。自説を主張するばかりで相手の話しに耳を傾けないのであれば、正確な情報を得ることは困難だ。

 

 また、昨今はSNSで発信される情報を手掛かりに取材を進め、事実関係を確認したうえで記事の参考にするケースも増えている。一国の大統領をはじめ、多くの政治家が自身の考えをSNSで発信しており、こうした情報も重要な手がかりとなるのは間違いない。ただし、危険なのはこうした人々が発する情報が常に正確である保証がないことだ。発信者が事実を誤認していたり、場合によっては意図的に情報を歪めていることもあるだろう。記者としてこうしたSNS情報を鵜呑みにするわけにいかないのは言うまでもない。

 

 エネルギーの価格情報を扱うリムにとっても、マーケットに流れる多様な情報を正確に把握することが不可欠。日々の取材でも十分に注意していきたい。

  

(横井)

 

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