第239回 (2024年4月3日)
中国の携帯、家電メーカー「シャオミ(xiaomi)」が3月27日、電気自動車(EV)「xiaomi SU7」を発売した。受付開始からわずか27分で5万台超の受注を獲得したという。EV車の開発を宣言してから販売までわずか3年余。畑違いの分野でゼロからEV車を作り上げたことに驚いた。
政府の後押しもあって、中国ではEV車メーカーが100社以上あると言われている。自動車産業での経験がなくとも、各社は原材料から部品調達までワンストップで出来るようになってしまう。恵まれた開発環境の中でゼロからEV車を量産出来ることは「想定内」との見方もある。国内で製造から販売までサプライチェーンも構築されている。
しかし、あまりに多くのEV車メーカーが乱立し、各メーカーが熾烈な価格競争を繰り広げている。このため経営不振から資金繰り悪化となり、倒産も追い込まれるメーカーも増えているようだ。
それでも政府が後押しを続けるのは自国の自動車産業を成長させる狙いがあるからと思われる。過酷な国内競争を生き残ることで、世界の自動車メーカーと戦える企業が育つことになる。さらに2060年までにカーボンニュートラルを実現するため、自動車からの排気ガスを減らすことも重要だろう。
目まぐるしく変わる産業構造の変化の裏側には、いろいろな背景があるように思う。そうした事情に目を向ける探求心を常に持ち続けることが大事だと思う。
( 方 )