LPG=3月31日~4月4日: 極東着が暴落、中国の対抗措置を警戒
CFR極東:
先週の極東着市場は買い気の後退を背景に大幅に下落した。Rim Asia Indexは3日時点で、プロパンが601.75 ドル、ブタンが591.75 ドルといずれも3月28日比30.00ドル安。米国が世界各国の輸入品に対し相互関税を課したことを受け、中国政府が報復措置として米国産LPGに対し関税を課すとの警戒感が広がりつつある。米中間の貿易摩擦の激化により、中国プレーヤーによる米国産LPGの調達が減るとの観測が聞かれている。このなか、5月後半着プロパン2万3,000トンに対する買唱えは5月CP対比ディスカウント圏に沈んだ。
FOB中東:
5月CP予想はプロパンが589ドル、ブタンが579ドル。5月積みでは、プロパン/ブタン各2万2,000トンの商談水準は5月CP対比10ドル台前半のディスカウントで伝えられた。一部のプレーヤーはプロパン/ブタン各2万2,000トンを抱えているものの、積極的な販売打診を控えている。米国の相互関税に対し中国が報復措置をとった場合、中東産カーゴに対する引き合いが強まると予想されるためだ。一方、ペーパー市場では、CPとCFR極東着市況との格差が拡大しているため、中東産カーゴに割高感が生じている。このため、FOB中東のスポット相場が5月CP対比20ドル台~30ドル台のディスカウントに下落する可能性がある、と市場関係者はみている。
日本国内:
4月渡しの商談が本格化した。陸上京浜のプロパンは99,300~100,000円と、前週から1,150円上昇した。需給のタイト感から4月CP確定後に市況が押し上げられた格好だ。背景には元売り各社の低在庫がある。海外先物市況がバックワーデーション(期先安)となるなか、各社とも現物の在庫を低めに抑えている。4月に入ってからも比較的気温が低い日が続き、出荷が底堅かったことも影響した。こうしたなか、米国積みの外航船の入着が遅れた一部の元売りは、備蓄義務量に近い水準まで在庫が下がりスポット販売余地が縮小したとみられる。