LPG=3月10~14日: 買い気回復で極東着が上昇
CFR極東:
先週の極東着市場は買い気の高まりを背景に切り上がった。Rim Asia Indexは3月13日時点で、プロパンが611.25ドル、ブタンが601.25ドルといずれも3月7日比13.50ドル高。トレーダー勢による買い戻し需要が強まった。4月前半千葉着では、プロパン2万3,000トンが614ドル(13日時点で4月CP対比18ドル相当)で成約。4月後半着でも、同荷姿がトレーダー間で4月極東着市況対比19ドルのプレミアム(13日時点で606ドルあるいは4月CP対比10ドル相当)で決まった。これに加え、台湾輸入1社が4~5月着プロパン単体を、華北のプロパン脱水素(PDH)プラント操業プレーヤーも5月着を対象とした買い付け入札を実施した。中国にPDHプラントの稼働率は75~80%程度まで回復しているといい、中国向けの需要増加観測も強材料となっている。
FOB中東:
4月CP予想はプロパンが596ドル前後、ブタンが586ドル前後。4月積みでは、中東トレーダー1社がプロパン/ブタン各2万2,000トンを4月CP対比10ドル台後半のディスカウントで購入したようだ。ただ、売り手は不明だ。4月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンのスポット相場も上記と同水準とみられている。4月積みの商談が少なくなっている一方、5月積みの商談が聞かれている。プロパン/ブタン各2万2,000トンの買い手が5月CP対比20ドルのディスカウントで唱えを寄せているなか、商談は5月CP対比10ドル台後半のディスカウントで展開されると、市場関係者は指摘した。
日本国内:
3月渡しの陸上京浜のプロパンは99,200~100,000円と、前週からほぼ変わらなかった。月内取引が一巡し、市場の動きが乏しかった。原油市況の急落に加え、ドル安・円高が進行したため、元売り各社の4月の仕切り価格が前月から大幅に切り下がるとの見方が強まった。このため、元売り各社は3月中の販売意欲が旺盛だ。3月に決算を控える元売りもある。元売り勢は3月後半にさらに踏み込んだ販売対応に動く可能性があるとの見方も出ていた。もっとも、買い手は先安を見越しており、月内の調達意欲が乏しい。海上市場では、製鉄大手が11日渡しの大分工場向けブタン1隻を対象とした買い付け入札を実施した。ただし、結果の詳細は判然としなかった。