原油・コンデンセート=3月3~7日: INPEXが5月マーバンを販売
中東 アブダビ国営ADNOCは先月末までに、長期契約者に対して5月積みを契約の取り決めに沿って供給すると伝えている。一方、長期契約者である日本のエネルギー企業など一部の需要家は現時点で、ADNOCに対して5月積みに関して契約の増量を要請する意向を示しておらず、産油国による供給動向の精査を優先させている。「石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成するOPECプラスが4月から自主減産量を縮小し、生産を段階的に増やす方針を決めているが、現時点ではアブダビ産をはじめとした中東産の長期契約による引き取りを増やすことは計画していない」(北東アジアの企業)と伝えている。5月積みマーバンのOSP指標に対する市況連動相場は13~18セント。5月積みのドバイ市況連動の相場と同様、4月積みに比べ低い水準となっている。INPEXが5月積みマーバンを少なくとも2カーゴ販売した。一部は欧系トレーダーが購入したと見られており、成約価格は4月積みに比べ5セント前後低く、OSP指標に対して15セント前後のプレミアムとなった。
アフリカ・欧州・ロシア・アメリカ カザフスタン産原油のアジア向けの商いでは、6月着のCPCブレンドの売唱えが、CFRベースで6月DTDブレントに対して3ドル超えのプレミアムで提示され始めたようだ。ただ、競合となる中東産原油など、ドバイ市況に連動する油種が一時期より割安になっているため、この水準でCPCブレンドの購入に動く需要家が見当たらないようだ。インドの国営インド石油(IOC)は4月積みの小規模入札でナイジェリア産のアグバミを1カーゴ購入した。売り手は欧州のトラフィギュラだったことが判明した。同カーゴは上述のアンゴラのソナンゴルからタームで引き取った4月積みのダリアと相積みする可能性が高い。
南方 5月積みベトナム産の商いでは、ベトナム国営PVオイルがランドンの販売入札を開示した。ベトナム時間11日9時応札の締め切り、同12日18時有効期限で実施されるこの入札の対象は、5月2~8日積みと5月24~30日積みの計2カーゴ(各20万バレル)。4月積み豪州産コンデンセートの商いでは、NWSCの成約が伝えられた。英BPが4月19~23日積み1カーゴを販売した。買い手は需要家で、成約価格はFOBベースでDTDブレントに対して5ドル前後のディスカウントだったもよう。
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