アジア石油製品=2月17~21日: 中国勢が3月積みガソリンの販売に着手
ガソリン 中国勢が3月積みの販売に着手 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただ、北東アジアから3月積みの輸出が増えそうだ。3月以降に定修予定の製油所もあり、大幅な増加には至らないとみられる。韓国では内需が振るわず、石油会社が余剰玉を輸出へ振り向けている。GSカルテックスは3月16~20日積みのMR船型と21~25日積みの15万バレル型の販売入札を開示した。同社は先週後半にも3月9~13日と26~30日積みとしてMR船型2カーゴを販売していた。また、同国ではSKエナジーも3月後半積みの販売を進めている。 また、中国の石油会社が3月積みの輸出計画をおおむね決めており、スポットの販売を進めている。ただ、輸出量は引き続き少なそうだ。主要な輸出元である中国石油天然気(ペトロチャイナ)による輸出予定量は合計30万トン程度で聞かれる。ペトロチャイナはすでに販売を進めていた。また、中国中化(SINOCHEM)も3月中旬に華東積みとして92RONガソリンMR船型の販売に乗り出している。 日本では、ENEOSの複数の製油所でトラブルを抱えているため、日本による3月の輸出量は減少しそうだ。ENEOSは、2月下旬に堺着として韓国出しのMR船型を受け入れるもよう。
ナフサ 鎮海石化、新設トッパーの稼働停止を継続 4月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。日本や韓国、台湾や東南アジアのナフサクラッカーの稼働率が上がる兆しは今のところ見られず。3月から稼働引き下げを検討している企業もあり、既存のナフサクラッカーからの需要は引き続き、芳しくない。 韓国の石化1社は、エチレンの誘導品需要が弱いため、ナフサとエチレンの価格差が開いた場合であってもナフサクラッカーの稼働率を引き上げるのは難しい、と指摘。別の韓国1社は3月、採算性見合いでナフサクラッカーの稼働率を2月対比10ポイント以上引き下げることを検討している。東南アジアでも、採算悪化を受け、複数のナフサクラッカーが稼働を停止中だ。 製油所の定期修理による供給の減少や、ガソリン向けの需要増などの強材料が複数ある一方で、石化向け需要の鈍さが弱材料視されている。 装置関連で、中国石油化工(シノペック)傘下で浙江省に製油所を構える鎮海石化は20日時点で、第5常圧蒸留装置(トッパー)の稼働を停止している。同トッパーは昨年の拡張工事にて新たに建設された。12月に原油を投入し、今年1月5日に試運転を開始。その後、7日に発生した火災の影響で稼働を停止した。市場関係者によると、再稼働の時期は不明。
中間留分 10ppm軽油は下落、SKが3月下旬積み品を販売 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落。米国や欧州向けのアービトラージは閉じており、アジア域内の需給が緩んでいる。韓国ではS-オイルが入札を通して3月23~25積み、29~31日積みのMR船型計2カーゴを販売した。同じく韓国のSKエナジーは個別交渉を通じて3月12~14日積みを販売した。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。供給が需要を上回っている。中東、インドのカーゴがシンガポールへ多く仕向けられ、需要を奪い合っている。韓国のSKエナジーは、個別商談で3月20~22日積みMR船型1カーゴを販売した。同社はこのところ、入札形式ではなく個別商談での販売を増やしているという。背景は不明。韓国の市場関係者によると、国内の経済不振や原油相場の下落により、国内の石油製品の販売価格に先安観が広まっているという。この影響で、小売業者は石油会社から仕入れを急いでおらず、買い手優位のマーケットになっていると伝えられた。
重油 実需乏しく、シンガポールに持ち込む動き 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。韓国石油1社が3月積みでMR船型1カーゴの0.5%S重油を販売したとの情報が浮上した。このカーゴはシンガポール向けとみられている。実需が限られるなか、ひとまずシンガポールに持ち込む動きが強まっているとの指摘がある。シンガポールの残渣油在庫もこのところ増加基調にある。一方、北東アジア域内で今後、春の製油所定修シーズンを迎えることから、出物が減少し、相場が押し上げられるとの観測も聞かれた。 中国では、政府が石油製品の輸出に際しての増値税還付措置を削減したことで、独立系製油所の重油輸入が大きく減っている。既に独立系数社が閉鎖となっており、国内供給にも影響が出始めていると伝えられる。今後も閉鎖する製油所が増えると指摘する関係者もいる。
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