電力=2月3~7日:電力スポットは今季最強寒波で上昇、西高東低に
2月3~7日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに前週から上昇。今季最強寒波の襲来で全国的に厳しい寒さとなり、暖房需要が急増したことを受け、価格も一段高となった。とくに西日本では、九州南部でも降雪に見舞われるなど需給引き締まりが顕著となったため、電力スポットの上げ幅も大きくなり、週半ば以降は西高東低で推移。東京のベース価格は5日に16.25円、関西のベース価格は7日に17.63円まで上昇した。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、3日が1.59円の東高西低だったが、4日が0.24円、5日が0.34円、6日が1.26円、7日が1.42円の西高東低となった。
2月第1週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、2月6日時点で期近の25年3月着品がmmBtuあたり14ドル台後半で推移した。前週末時点(1月31日)から0.30ドル程度の上昇となった。欧州の天然ガス相場が一段高となり、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。さらに、トレーダーによる買い戻し需要も、相場の強材料となった。ただ、北東アジア市場では需要家による買い気は鈍化傾向が解消されず、相場の上げ幅は限定的だった。経済産業省が2月5日に公表した、2月2日時点の発電用LNGの在庫は241万トンとなり、前週から26万トンの積み上げとなった。前年2月末時点および過去5年平均の218万トンを上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、2月6日時点の25年2月積みがトンあたり109ドル台割れとなった。前週末時点から10ドル近い下落となった。原油相場の下落につれ安となった。 原油相場は、2月7日午前時点でWTIの25年3月物がバレルあたり70ドル台半ば、ブレントの25年4月物が74ドル台前半の水準。前週末時点から、WTIが2ドル前後、ブレントが1.5ドル前後のそれぞれ下落となった。米国と中国の関税戦争に伴う経済情勢の悪化懸念や、米原油在庫の増加、米国産原油の増産観測などが弱材料となった。
週を通じた実勢高値は、7日に四国を除く西日本5エリアで付けた29.00円となった。一方、実勢安値は5日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.87円高の14.42円、東北が同1.31円高の14.55円、東京が同1.65円高の15.13円、中部が同2.24円高の15.79円、北陸が同2.63円高の15.47円、関西が同2.68円高の15.47円、中国が同2.87円高の15.47円、四国が同0.21円安の10.20円、九州が同2.65円高の14.88円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から7.0%減の11億8,784万5,290kWh、買い札が同9.1%増の11億4,132万3,640kWhとなった。約定量の週間平均は、同2.3%増の8億7,297万3,100kWhだった。
2月3~7日の9エリアの電力需要は、149億1,419万6,000kWhとなり、前週1月27~31日の139億7,522万3,000kWhから6.7%増加した。曜日を合わせた前年の2月5~9日の需要実績は141億8,876万2,000kWhで、増加率は5.1%となった。
2月3~7日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
2月3~7日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。今月3日に始まった電力先物オプション市場では、取引初日に東北電力エナジートレーディングが、25年4月東京ベースのコールオプション50MWを販売した。行使価格は15.00円/KWhで、プレミアムは0.30円/KWhとの情報が伝えられた。
2月第2週の電力スポットは、第1週に比べて軟化する見込み。第1週の厳しい寒さが和らぐ見通しで、売買入札の買い超も解消されるとみられ、再び潤沢な売りが価格の上値を抑えるとみられる。とくに西日本では、週半ば以降の最高気温が15度程度まで上昇する地域もあるため、電力スポットの西高東低も再び東高西低に戻りそう。市場関係者からは「発電設備のトラブルなどがない限り、第2週のベース価格は東西ともに12~14円の範囲で推移するのでは。高値も20円を超えることはないだろう」(新電力の市場取引担当者)との見方が示されている。
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