アジア石油製品=2月3~7日:ジェットは上昇、台湾FPCCが3月上旬積みをプレミアムで販売
ガソリン 日本で製油所トラブル続く 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。大方の北東アジアの石油会社は3月積みの輸出計画を決めていない。そのなか、日本では製油所のトラブルが相次いでおり、3月積みの輸出に不透明感が強い。ENEOSの製油所では、川崎製油所(日量17万2,100バレル)以外にも複数の不具合を抱えているもよう。これにより、2月積みの輸出カーゴが3月積みに持ち越しあるいは積み時期を先送りする事態が生じている。また、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が先に販売した2月に水島出し玉も3月積みに先送りせざるを得ないようだ。一方、スポットの取引では、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が3月前半積みの92RONガソリン50万バレルの販売入札を締め切ったものの、落札の結果は判明していない。台湾中油(CPC)の桃園製油所(日量20万バレル)で7日に常圧蒸留装置(日量10万バレル)が定修明けした。同社は原油処理量を引き上げており、3月積みでスポットの販売余力がありそうだ。
ナフサ 軟化、販売可能な数量にゆとり 3月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は軟化。販売量に不足感はなく、相場を押し下げた。日本の丸善石油化学は4月前半着オープンスペック2万5,000トンの買い付け入札を実施。価格評価のベンチマークを2月7~15日における日本市況とし、成約価格はCFRベースでフラット近辺だった。韓国のLGケムは3月後半着ナフサをCFRベースで同市況に対し、5ドル前後のプレミアムで購入した。30日前評価。市場関係者によると、域内のカーゴに幾分ゆとりがあり、需給逼迫には至っていない。ただ、期先にかけてガソリン基材としての需要が増加すると目され、相場の下げ幅を削ったとみられる。
中間留分 台湾FPCCが3月上旬積みジェットをプレミアムで販売 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は5日締めの入札を通して3月5~9日積みの30万バレルをプレミアムで販売した。トレーダー1社が買い進めた。同社はFPCCとの間で既存ターム契約品とまとめて、豪州もしくはニュージーランドに運ぶ可能性が指摘された。ただ、日本元売りが3月以降、一転して輸入を控える可能性が浮上。これにより北東アジアの需給が緩むとの見通しも出ている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場も上昇。供給量が減少するとの観測が相場を押し上げた。台湾中油(CPC)は3月16~22日積みとして30万バレルの販売入札を実施。台湾や韓国、日本で常圧蒸留装置や二次装置の定期修理を予定する製油所が複数ある。また、原油のプレミアム拡大で精製マージンが圧迫されるとの懸念から、製油所の稼働率が低下する可能性もくすぶっている。
重油 需給緩和感の台頭受け、北東アジア品の相場下落 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。需給緩和観測が弱材料となった。中国を中心に域内で長らく需要が低迷する一方、中東やアフリカなど域外からアジアに低硫黄重油が持ち込まれている。また、このところバンカー市況も精細を欠いており、石油会社は一部、カーゴでの販売もせざるを得ないとの指摘が聞かれた。
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