電力=1月27~31日:電力スポットは前週比で西が反発、気温低下が強材料に
1月27~31日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)がほぼ前週並みだったが、西日本(60Hz)が前週から反発した。西日本では、前週に比べて気温が低めに推移する地域が多くなり、スポット買いの動きが強まった。大阪の最高気温をみると、20日の週は12~15度程度で推移したが、27日の週は10度未満だった。ただ、全般的には「レンジ内の値動き」との声が多く、上値は限定的だった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、27日が2.50円、28日が0.64円、29日が1.21円、30日が0.19円の東高西低となり、31日が0.09円の西高東低だった。
1月最終週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、1月30日時点で期近の25年3月着品がmmBtuあたり14ドル台半ばで推移した。前週末時点(1月24日)から0.25ドル程度の上昇となった。北東アジア市場では、売り物が増えるなど需給の緩みから週半ばまでは軟調に推移したものの、週後半に欧州の天然ガス相場が上げ幅を伸ばしたため、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。経済産業省が1月29日に公表した、1月26日時点の発電用LNGの在庫は215万トンとなり、前週から16万トン減少した。前年1月末時点の215万トンと同水準となり、過去5年平均の196万トンを上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、1月30日時点の25年2月積みがトンあたり116ドル台後半となった。前週末時点から1.5ドル程度の下落。トランプ米大統領の就任後、原油相場が下落基調で推移しており、石炭相場もこれに連動した。 原油相場は、1月31日午前時点でWTIの25年3月物がバレルあたり73ドル台半ば、ブレントの25年3月物が77ドル台半ばの水準。前週末時点から、WTIおよびブレントともにそれぞれ1ドル超の下落となった。米株式相場の下落や、米原油在庫が市場予想を上回る増加幅となったことなどが弱材料となった。
週を通じた実勢高値は、30日に四国を除く8エリアで付けた17.99円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、30日に四国で、31日に九州でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.41円安の13.55円、東北が同0.09円安の13.24円、東京が同0.02円高の13.48円、中部が同0.58円高の13.55円、北陸が同2.79円高の12.84円、関西が同2.75円高の12.79円、中国が同2.56円高の12.60円、四国が同1.82円高の10.41円、九州が同2.31円高の12.23円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から3.3%減の12億7,742万5,110kWh、買い札が同9.2%増の10億4,618万5,490kWhとなった。約定量の週間平均は、同5.8%増の8億5,370万7,140kWhだった。なお、1月の売り入札量は月間合計で408億905万5,850kWhと、初めて400億kWhを超え、過去最多を記録した。
1月27~31日の9エリアの電力需要は、139億7,522万3,000kWhとなり、前週1月20~24日の132億6,068万4,000kWhから5.4%増加した。曜日を合わせた前年の1月29日~2月2日の需要実績は135億7,892万2,000kWhで、増加率は2.9%となった。
1月27~31日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
1月27~31日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。341件・2,783MWの約定があった。
2月第1週の電力スポットは、週後半に向けて底上げの動きとなりそうだ。週初めは西日本中心に高めの気温が予想されているものの、週半ば以降は全国的に冷え込みが強まり、暖房需要が強まるとみられる。このため、需要増加に連動して価格も上昇する見込み。なお、天気は日本海側の広い地域で曇天が続き、太平洋側は晴れ間の日が多くなりそう。このため、一定の太陽光発電は見込まれ、昼間価格の上値を抑える材料になるとみられる。価格見通しについて一部の市場関係者は、「1月最終週から大きな変化はないとみられるが、冷え込みが強まるため、東西ともにベースで15円前後に上昇する動きになるのでは」(新電力の市場取引担当者)との見方を示している。
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