電力=1月13~17日:電力スポットは前週比で軟化、気象動向が弱材料に
1月13~17日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに前週比で下落した。北日本や北陸を除き天気に恵まれる日が多くなり、太陽光発電が前週から増えたほか、週半ばには関東で3月並みの気温に上昇するなど気象動向が弱材料となった。さらに、発電設備の目立ったトラブルもなく、16日には昨年9月1日から定期点検に入ったJERAが中部エリアで運用する大型の西名古屋LNG火力7号系列1軸(定格出力118万8,200kW)が定検明けとなるなど、安定した供給力も価格の上値を抑える材料となった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、13日が1.90円、14日が1.09円、15日が1.01円、16日が0.58円、17日が0.94円の東高西低となった。
1月第3週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、1月16日時点で期近の25年3月着品がmmBtuあたり14ドル台前半で推移した。前週末時点(1月10日)から0.5ドル程度の上昇となった。欧州の天然ガス相場が前週から上昇したため、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。ただ、北東アジア市場の需給緩和感は続いており、相場の上げ幅は抑えられた。経済産業省が1月15日に公表した、1月12日時点の発電用LNGの在庫は211万トンとなり、前週から34万トン増えた。前年1月末時点の215万トンを下回ったが、過去5年平均の196万トンを上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、1月16日時点の25年1月積みがトンあたり114ドル台後半となった。前週末時点から1ドル超の下落。 原油相場は、1月17日午前時点でWTIの25年2月物がバレルあたり78ドル台後半、ブレントの25年3月物が81ドル台前半の水準。前週末時点から、WTIが2ドル超、ブレントが1.5ドル程度それぞれ上昇した。米国によるロシアの石油に対する制裁強化が10日に発動され、ロシアからの供給減少懸念が強材料となった。また、米エネルギー情報局(EIA)が15日に発表した週間の石油統計によると、前週末10日までの1週間で、同国の原油在庫が200万バレル減少したことも材料された。
週を通じた実勢高値は、16日に四国を除く8エリアで付けた20.73円となった。一方、実勢安値は15日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.32円安の15.21円、東北が同0.42円安の14.85円、東京が同0.55円安の14.87円、中部が同1.04円安の14.79円、北陸が同0.71円安の13.91円、関西が同0.83円安の13.77円、中国が同0.84円安の13.76円、四国が同3.75円安の9.19円、九州が同0.55円安の12.97円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から5.3%増の12億5,769万1,330kWh、買い札が同2.5%減の10億4,117万6,990kWhとなった。約定量の週間平均は、同0.8%減の8億3,810万7,040kWhだった。
1月13~17日の9エリアの電力需要は、141億3,251万5,000kWhとなり、前週1月6~10日の143億281万8,000kWhから1.2%減少した。曜日を合わせた前年の1月15~19日の需要実績は137億9,179万kWhで、増加率は2.5%となった。
1月13~17日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
1月13~17日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。295件・2,302MWの約定があった。
1月第4週の電力スポットは、第3週から下げ幅が大きくなりそう。全国的に高めの気温で推移する見通しで、週後半には九州南部の最高気温が15度を超える見通し。関東の最高気温も10度を下回ることはなく、東京では12~13度の日が多くなるとみられる。さらに、天気は週初めを除き晴れ間の地域が多くなる予報で、潤沢な太陽光発電が昼間の価格を圧迫する材料になるとみられる。太陽光発電比率が高い九州や四国では、0.01円を付ける日も多くなりそう。
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