電力=11月11~15日:電力スポットは前週比で西が反発、高値で36円も
11月11~15日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本(50Hz)が続落した一方、西日本(60Hz)が反発した。東京中部間の市場分断が前週からほぼ半減したため、東西で異なる値動きとなった。東京中部間の分断は、4~8日が197コマで生じたが、11~15日は103コマだった。また、15日には西日本の15時30分~16時に36.00円の高値を付けた。この前後は18円台や17円台だったため、1コマだけ突出した高値となったが、複数の市場関係者からは「理由がよく分からない」との声が多かった。一部の市場関係者からは「入札カーブをみると、買い札が影響したようにみえる。また、現在連系線の作業が行われているため、連系線の影響ということも考えられるかもしれない」(新電力の需給担当者)との見方が示された。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、11日が2.91円、12日が2.00円、13日が0.97円、14日が1.53円、15日が1.11円の東高西低となった。
燃料相場は、前週末からLNGと石炭が軟化し、原油が上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、11月14日時点で期近の24年12月着品がmmBtuあたり13ドル台後半となり、前週末時点(11月8日)から0.20ドル程度の上昇となった。欧州の気温低下や風力発電量の低下などで欧州の天然ガス相場が騰勢を強めたことを映し、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。週半ばには14ドルを超える水準となったが、週後半には売り物が増えたことや低調な買い気が解消されず、相場は下押した。経済産業省が13日に公表した、11月10日時点の発電用LNGの在庫は221万トンとなり、前週から9万トン増えた。前年11月末時点の216万トン、過去5年平均の213万トンをいずれも上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、14日時点で24年11月積みがトンあたり141ドル台半ばの水準となり、前週末から2ドル近い下落となった。原油価格の下落に連動した。 原油相場は、11月15日午後の時点でWTIの24年12月物がバレルあたり68ドル台前半、ブレントの25年1月物が72ドル割れの水準で推移した。前週末から、WTIが5ドル程度、ブレントが2ドル程度の下落となった。週初めに、中国経済の先行きの不透明感から売り圧力が強まった。その後は安値拾いの買いなどで小幅ながら値を戻したが、上値の重い展開が続いた。
週を通じた実勢高値は、15日に西日本で付けた36.00円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、11~14日は九州で、12日と13日には四国でも付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.57円安の13.29円、東北が同0.45円安の13.32円、東京が同0.24円安の13.69円、中部が同1.28円高の13.09円、北陸、関西、中国が同2.15円高の11.98円、四国が同0.87円高の9.76円、九州が同1.21円高の10.10円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比2.8%増の10億7,192万2,790kWh、買い札が同2.9%増の8億9,400万2,630kWhとなった。約定量の週間平均は、同1.2%増の6億9,809万7,80kWhだった。
11月11~15日の9エリアの電力需要は、106億2,117万kWhとなり、前週11月4~8日の104億1,086万1,000kWhから2.0%増加した。なお、曜日を合わせた前年の11月13~17日の需要実績は115億6,653万8,000kWhで、減少率は8.2%となった。
11月11~15日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
11月11~15日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり
11月18日の週の電力スポットは、11日の週から大きな変動はなそうだ。ただ、関東では週半ばに最高気温が10度程度まで下がる見通しのため、暖房需要が強まる可能性も高く、価格にも波及しそう。また、最低気温は全国的に10度を割り込む見通しで、夜間価格の強材料になるとみられる。一方、天気は全国的に晴れ間の日が多い予報のため、太陽光発電が昼間価格を抑える材料になりそうだ。
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