LPG=11月11~15日:12月後半着の供給は潤沢
CFR極東:
先週の極東着市場は供給余剰感から下落した。Rim Asia Indexは11月13日時点で、プロパンが626.00ドルと11月8日比7.00ドル安、ブタンが626.00ドルと同12.00ドル安となった。12月後半着の供給は潤沢とみられ、これが相場の重石となった。華南でプロパン脱水素(PDH)プラントを操業する1社は、買い付け入札を通じ12月着プロパン4万6,000トンを12月極東着市況対比1桁台のディスカウントで調達した。落札者以外にも同荷姿を12月極東着市況対比ディスカウント圏で応札した向きがいたとみられ、中東産プロパンを抱える売り手が残っていると市場関係者は指摘する。さらに、複数の売り手が豪州産カーゴを12月後半着で販売可能とみられ、ブタン付きカーゴにも余剰感がある。
FOB中東:
12月積みでは、スポット需要は強くない様子。CPに割高感があることから、多くのプレーヤーはFOBベースでの購入に関心が薄いもよう。これ以外に、インドの輸入業者勢も2024年内の需要を満たしたとみられ、購入余地がないとみられている。一方、中東からターム玉を引き取るプレーヤーが転売可能だという。極東輸入1社はプロパン/ブタン各2万2,000トンにおいて、FOBとCFRのスワップ取引に関心を示しているという。12月CP予想はプロパンが616ドル前後、ブタンが611ドル前後で伝えられた。
日本国内:
11月渡しの陸上スポット相場は、プロパン、ブタンともに大きな動きが見られなかった。11月のスポット調達を終え、様子見に退くプレーヤーが多かった。もっとも、11月に入ってからも平年と比べ気温が高い日が続いていることから、販売は振るわない。在庫を抱えた元売りの販売意欲が旺盛で、月末にかけて売り込みが強まるとの見方も伝えられた。他方、東海エリアの都市ガス子会社が実施した2025年のプロパン買い付け入札の結果に注目が集まった。同社は近年、販売数量を増やしているとされ、陸上での購入量も前年を上回りそうだという。