アジア石油製品=11月4~8日:0.5%S重油の相場は上昇、供給引き締まりで
ガソリン 供給引き締まりが解消されず 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は前日横ばい。12月積みの商談に移行しているものの、スポットの取引は時期尚早なことからマーケットは静か。ただ、中国から輸出量が引き続き少ない見通しで、同国の石油会社は販売に急いでいない。同国の石油会社は年内の輸出割当量が少ない状況だ。また、韓国では年末にも油類税の控除措置を終了する予定で、石油会社は国内の動向に注目しており、12月積みのスポット販売を遅らせる可能性もある。需要面では、ベトナムのペトロリメックスが95RONガソリンの買い付け入札を実施している。対象数量は、12月4~8日と8~12日積みで各MR船型、12月16~20日と20~24日積みとして各半MR船型分量だ。
ナフサ 12月後半着の買い気は閑散 12月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は同水準を維持した。スポット需要は限定的。韓国の企業は12月、年度末の決算を迎えるとあり、石化製品の在庫を抑えようとしてナフサの消費が減ると見込まれる。日本勢もナフサクラッカーの低稼働を背景に買い気は強くない様子。日本の石化1社は2025年の年間ターム交渉を開始した。 設備関連で、中国・天津南港は同社のエチレン設備に6日までに原料を投入し、7日までにエチレンのオンスペック品の生産が確認された。今後は出資元の中国石油化工(シノペック)によるナフサの輸入量が増加するか否かが注目されそうだ。 日本では出光興産が徳山事業所のナフサクラッカーの立ち上げ作業を開始。すでにクラッカーの一部が稼働を再開している。残る設備の立ち上げの完了は11月15日前後と見込まれている。韓国ではGSカルテックスが11月29日ころまでナフサクラッカーの定期修理を実施している。
中間留分 ジェットは相場の過熱感が後退、中東やインド品がアジア市場に流入 北東アジア積みのジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落した。供給増加から相場の過熱感が後退した。中東およびインドからアジア、オセアニア地域への供給が増えている。主要な買い手である豪州勢などがこれを確保したことなどで、需給の逼迫感が薄らいでいる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)および0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含み。主要な輸出国の中国からの販売が引き続き少なく、売り物の品薄感が強い。またインドネシア勢が低硫黄品にも買い気を示している。
重油 供給引き締まりで相場上昇 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。供給引き締まりを受けた。域内の石油会社は、市況が比較的堅調なバンカー市場への供給を優先し、カーゴによるスポット輸出は限られるという。また、シンガポール周辺でも低硫黄重油の品薄感が続いており、北東アジア品にも強材料になっているとの見方が伝えられる。アジア市場全般で、当面は引き締まり感が続くとの観測も聞かれた。 京浜のVLSFO相場は上昇した。中国・上海、舟山の代替需要が確認されている。需給環境の引き締まりにより、中国の相場が高値で推移しているためだ。一方、韓国、香港、シンガポールとの価格差は再び拡大。日本のバンカーが敬遠される動きもみられ、強弱材料が拮抗している。
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