アジア石油製品=10月28日~11月1日:10ppm軽油上昇、需給逼迫続く
ガソリン オキシー品市況下落 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軟化した。買い気が減退し、オキシー品の市況は下落している。需要家筋は11月分の調達を概ねカバーしているようだ。また、これまでの市況に対する過熱感の警戒も出ており、様子見に徹しているプレーヤーも散見されるという。北東アジアでは今週、SKエナジーが11月中旬積みとして92RONガソリンMR船型を販売したことが判明した。価格はFOBベースで同市況対比小幅なディスカウントと伝えられた。 一方、インドネシアやベトナムなどの東南アジアからは新たな買いが聞かれず、需要に引き続き盛り上がりを欠いている。
ナフサ OSN市況強含み、スポット需要が浮上 12月前半日本着のオープンスペック・ナフサ市況は強含んだ。スポットでの引き合いが増加し、相場を押し上げた。日本の石化1社は入札を通じて、12月前半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで日本市況に対し、9.00ドル前後のプレミアムで調達した。 12月後半着の市況は反落するのではないか、と指摘された。韓国などの企業が12月に決算を迎えるとあり、ナフサの在庫を落とそうとする可能性があるため。一方で、12月末の在庫を落とした反動で1月着の需要が増加すると考えられる。また、1月以降、中東や欧州の製油所の定期修理により玉が減少する可能性がある。
中間留分 プルタミナ、装置不調継続で10ppm品にも買い気示す 北東アジア積みのジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落。11月積み品の商談が終盤に差し掛かり、需要家は調達を終えつつある。買い気の後退を受け、相場は軟化した。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は横ばい。しかし、主な買い手である日本からの買い気が弱まりつつあるとみられ、相場の上値は重たくなっている。韓国の現代オイルバンクは25日締めで、11月21~23日積みSR船型の販売入札を実施したが、応札がなく入札は不落に終わったと伝えられた。日本では、足元で製油所の大きな不具合がなく稼働が安定しているうえ、気温が高く灯油の需要が増加するには至っておらず在庫が順調に増加している。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。中国勢の売り気が少なく、相場は堅調で推移している。第3回の輸出割当量が限定的で、新規スポット販売に動けない。石油会社は採算性を背景に、残りわずかな割当量をジェット燃料に使用する方針。需要面では、インドネシア国営プルタミナが0.001%S軽油の買い付け入札を提示した。不調のバリクパパン製油所(日量36万バレル)を背景にショートカバーを行っており、アジアの需給タイト化が進みそうだ。既報のとおり、プルタミナは高硫黄品の購買も積極的に進めている。
重油 供給引き締まり観測を受けて相場上昇 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は強含み。アジア域内の供給引き締まり観測が強材料となった。韓国積みの新たな高硫黄重油のスポット商談は聞かれない。石油各社は引き続き相場が堅調なバンカー市場への供給を優先しており、カーゴによる輸出余力が低下しているという。韓国積み品の商談水準は、FOBベースで同市況に対し1桁台のディスカウントとの見方が伝えられた。
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