アジア石油製品=10月21~25日:ジェット燃料市況は急伸、需給引き締まりで
ガソリン 供給が引き締まり、市況上昇 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。品薄感が解消されず、市況が上昇した。売り物が少ないなか、需要家には玉の確保を優先したいとの意向があり、買い気を強めている。そのうえ、中東でも製油所の定修を背景に、供給に引き締まり感が広がり、アジア品を調達しているようだ。日本では、ENEOSが11月に鹿島と水島積みとして92RON または95RONガソリンMR船型の販売に乗り出していた。また、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が11月に水島出しの95RONガソリンと千葉出しの92RONガソリンそれぞれMR船型を販売している。韓国では、SKエナジーが11月後半積みとして90RONガソリンMR船型を販売。台湾では、石油2社ともトラブルで停止していた残渣油流動接触分解装置(RFCC)稼働を再開し、11月積みではスポットの販売余力が出そうだ。
ナフサ 韓国石化1社、12月前半着品を購入 12月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。ただ、ナフサの固定価格の高止まりとオレフィン市況安を受けて、石化製品の生産にかかる収益性が圧迫されている。この影響で、北東アジアでは11月のナフサクラッカーの稼働率引き下げを検討している企業が複数あるという。中国で新規エチレン設備が立ち上がった際には、オレフィンの供給がさらに増加するとも考えられており、オレフィン市況が一段と軟化する可能性も指摘されている。 そうしたなか、韓国のYNCCは、入札を通じて12月前半着ナフサを調達した。中東系1社が落札したとの情報もある。ハンファトタルエナジーズも同日締めの入札で、ヘビーフルレンジ・ナフサCグレードを購入したと伝えられた。
中間留分 ジェットのスポット市況は上伸、需給に引き締まり感 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上伸。売り気が極めて乏しく需給は急速に引き締まっている。中国による11月積みの販売が浮上せず。韓国の石油会社も稼働調整やターム契約への供給に注力しているとあって、スポット市場での販売余力が乏しい。一方、米西海岸向けのアービトラージは開いており、引き合いは強い状況だ。持続可能な航空燃料(SAF)について、ニートSAFは固定値でバレルあたり200ドル以上で推移しているとの情報がある。原料となる廃食油の市況が高騰するなか、ニートSAFのコスト低減は困難。こういったなか、航空会社によるSAFの購入は足踏み状態とあって、相場には天井感があるとの指摘もあった。(10月23日より液体バイオ燃料(週刊) を発刊いたしました。) 0.001%S軽油の需給はタイトながら、強い買い気が和らいだ。ただ、中国の石油会社は年内の輸出割当量に不足感があるなか、引き続き輸出マージンが良好なジェット燃料の輸出にシフトする見通しで、軽油の輸出量は引き続き少なそうだ。北東アジアでは台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が入札を通じて11月25~29日積みの0.001%S軽油75万バレルを販売した。
重油 HSFO市況は堅調 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は堅調で推移している。市場関係者によると、韓国石油会社はこのところ、相場が堅調に推移しているバンカー市場への供給を優先。各社のカーゴによるスポット販売は限られているもようだ。供給引き締まり感が台頭しており、相場の基調は強含んでいる。 日本ではコスモ石油、富士石油によるスポット販売が浮上した。背景には製油所の二次装置の不具合などがあった
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