アジア石油製品=10月7~11日:韓国勢は10月積みガソリンの追加販売を検討
ガソリン 韓国で10月積みの追加販売を検討 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。中国を中心とする北東アジアの供給が減少しているものの、中東品が引き続き流入していることから、供給の引き締まり感は強くなさそうだ。中国による10月の輸出量は合計70万トンを超える程度にとどまりそう。中国では国慶節の連休期間に需要が増えていることもあり、石油会社の在庫が低い。さらに輸出マージンも低迷しており、石油会社は輸出を抑えている様子だ。一方、韓国ではSKエナジーなどが10月積みの追加販売を検討しているとの情報が寄せられた。このところ国際原油市況の上昇により、同国で10月末に予定していた油類税の控除措置の終了が再び延長される可能性が高まっている。これにより、当初、韓国国内で見込んでいた駆け込み需要が生じないと判断し、積み上げていた在庫を輸出へ振り向ける意向があるとみられる。同国政府は来週にも同政策の方針を固めそうだ。
ナフサ 堅調、中東からの供給不安を意識 11月後半着オープンスペック・ナフサの市況は底堅く推移した。イスラエルとイランの衝突を受け、中東情勢が不安定となっている。市場関係者は地政学的リスクの高まりにより、同地域からのナフサ供給が滞るとの懸念が意識されている、との見方を示した。また、精製マージンの低下や不具合により、稼働率が低下している製油所もある。 石化用ナフサやガソリン基材としてのナフサ需要は強さを欠いているが、供給面での材料が相場を支えている。スポット市場では、11月後半日本着オープンスペック2万5,000トンがCFRベースで日本市況に対し6.00ドルを上回るプレミアムで売買された。
中間留分 高硫黄軽油の相場は堅調、東南アジアの引き合いで 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は横ばい。スポット市場で新規の売買は聞かれず。日本は現在、ジェット燃料の輸入ポジションとなっており、元売りによる輸出余力は乏しい。市場関係者によると、ENEOS和歌山製油所と西部石油山口製油所が精製機能を停止して以降、常に輸入に回っているという。そうしたなか、日本の業者はターム契約により韓国などから玉を輸入している。韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場も変わらず。今冬の日本の灯油需給の注目点として、西日本の気温が挙げられた。別の元売り1社が冬場に西日本の製油所の大型定期修理を控えていることもあり、同地域で寒波や悪天候となった場合、油槽所の玉切れが起きやすくなると見込まれているようだ。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただ、東南アジア勢が高硫黄軽油に買い気を示しており、相場は底堅い。ベトナムのペトロリメックス、インドネシア国営プルタミナが10月後半~11月上旬積み、着として購入を進めている。買い気がある一方、売り気は限られる。ジェット燃料油市況が0.05%S軽油の市況を上回って推移しているとあって、製油所が高硫黄軽油の供給量を抑える傾向にあるという。
重油 LSFO市場は弱基調続く 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、供給が増加するとの観測が根強く、相場の基調は弱い。一方、市場関係者によると、クウェート石油(KPC)は10月後半~11月にかけてスエズマックス型で数カーゴのVLSFOを販売するとみられる。同社は例月、ターム品も含めて2~3カーゴを輸出している。このところ南アフリカやアフリカ西部からVLSFOの基材の輸出が増えており、中東などに持ち込まれている。今後、中東からVLSFOの供給が増加するとの見方もあるようだ。
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