電力=9月30日~10月4日:東西ともに反発、需給引き締まりで
9月30日~10月4日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反発した。高めの気温が続くなか、10月に入り定期点検などで停止する火力発電が一気に増えたことで需給が引き締まり傾向となり、価格も押し上げられる格好となった。また、連系線の作業が実施されていることも強材料となるエリアもあった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、30日が2.05円、1日が4.40円、2日が4.46円、3日が2.64円、4日が4.99円の東高西低だった。
燃料相場は、前週末からLNGと石炭が軟化し、原油が上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、3日時点で期近の24年11月着品がmmBtuあたり13ドル前後となり、前週末時点(9月27日)から0.25ドル程度の下落となった。売り物が散見されたなか、買い気の弱さが解消されず、相場は下押した。ただ、中東情勢のさらなる緊迫化により、下げ幅は抑えられた。経済産業省が2日に公表した、9月29日時点の発電用LNGの在庫は199万トンとなり、前週から36万トン増えた。前年9月末時点の164万トンを上回り、過去5年平均の199万トンと同水準だった。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、2日時点で24年10月積みがトンあたり140ドル超となった。前週末から5ドル近い下落となり、軟調なガス価格に連動した。 原油相場は、4日午後の時点でWTIの24年11月物がバレルあたり73ドル台半ば、ブレントの24年12月物が77ドル台半ばで推移した。前週末からWTIが5.5ドル程度、ブレントが6ドル程度の上昇となった。イランは1日、イスラエルへ向けて複数の弾道ミサイルを発射した。イスラエルはイランに反撃する構えを示しており、中東情勢のさらなる緊迫化が強材料となった。
週を通じた実勢高値は、4日に東日本3エリアで付けた39.00円となった。一方、実勢安値は9月30日に北海道で付けた4.00円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.40円高の11.82円、東北が同3.23円高の14.92円、東京が同3.63円高の15.96円、中部が同0.43円安の13.70円、北陸が1.51円高の12.25円、関西と中国が同1.51円高の12.25円、四国が同1.43円高の12.17円、九州が同1.92円高の12.03円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比14.1%減の10億3,794万9,590kWh、買い札が同1.9%増の9億5,796万4,040kWhとなった。約定量の週間平均は、同4.0%減の7億835万7,970kWhだった。
9月30日~10月4日の9エリアの電力需要は、115億4,429万kWhとなり、前週9月23~27日の113億6,455万6,000kWhから1.6%増加した。なお、曜日を合わせた前年の10月2~6日の需要実績は107億7,246万5,000kWhで、増加率は7.2%となった。
9月30日~10月4日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
9月30日~10月4日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。423件・3,449MWの約定があった。
10月第2週の電力スポットは、第1週に比べて大きな値動きはなさそうだ。西日本は週半ばごろまで、東日本は週を通じて曇天が予想されており、太陽光発電の減少が強材料となりそうだが、気温は暑さが和らぐ見通しのため、需要見合いによる買いの動きは限定的になるとみられる。このため、相場は方向感を欠く値動きとなりそうだが、複数の火力発電が停止しているため、発電設備のトラブルなどが発生した場合、価格が上振れるリスクは高まっている。
|