アジア石油製品=9月30日~10月4日:軽油市況下落、フレートが急伸
ガソリン インドネシア、タームの引き取りが最大化 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は同値を維持した。ガソリンの精製マージンが依然として低迷しているため、北東アジアの供給が増えにくいと見られる。韓国では、国内の供給を確保するため、石油会社は11月には今月より一段とガソリンの生産を増強する方針のようだ。同国では内需市況が続落していることもあり、需要が増え、足元の需給に引き締まり感が強まっている。一方、アジアの最大輸入国であるインドネシアを中心とした東南アジアで一定の需要が保たれているという。トレーダー筋によると、インドネシア国営プルタミナはターム品の引き取り量を最大化しているようだ。
ナフサ プレミアム上昇、製油所の供給減で 11月後半着品の商いへと移行した。日本の石化1社は1日、入札を通じて11月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同市況に対し、4.00ドル弱のプレミアムで購入した。45日前評価。製油所の稼働率が引き下げられており、供給力が減退するとの見方が価格の上昇につながったと指摘された。台湾やインドネシアの業者もスポット市場で玉の調達を試みたようだ。 一方で韓国や日本のその他のメーカーは購買に動かず。ナフサの固定価格が上げに振れているため、様子見ムードが広がっていると伝えられた。 ナフサクラッカーの稼働率は上がっていない。韓国では少なくとも3社がクラッカー稼働率を引き下げたようだ。ガソリンの需要期も終了しており、ガソリン基材としてのナフサ需要も減退している。
中間留分 灯油市況上昇、需要期に向け日本の引き合い増 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は前日から変わらず。FOBベースの相場は上値が重いとの指摘が寄せられた。中国勢による強い売り気があるものの、欧州や米西海岸向けのアービトラージは合わず引き合いは限定的。 米国エネルギー情報局(EIA)が9月30日に発表したデータによると、7月の同国のエタノール生産能力は年産183億700万ガロン(1ガロン=約3.8リットル)で、前月から1億400万ガロン、前年同月から6億ガロン、それぞれ拡大した。持続可能な航空燃料(SAF)を含むバイオ関連燃料の需要が拡大しており、原料となるエタノールの生産体制の拡充が続いているもようだ。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は切り上がった。需要期を控えて日本からの引き合いが増加傾向となっている。韓国石油会社は11月積みSR船型を対象にFOBベースでシンガポール市況比3.00~3.50ドルのプレミアムで売り唱えた。好調な輸入採算を背景に日本からは複数の商社、元売りが買い意欲を示している。こういったなか、同市況比3.00ドル程度のプレミアムが成約に至る水準との指摘が寄せられた。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落した。フレートが上昇しており、FOBベースの取引価格を押し下げる要因になるとの見方が示された。また、欧州で製油所の定期修理シーズンに入ったことなどから、欧州の軽油市況が上昇に転じているが、アジアから欧州向けのアービトラージは十分に開いてはおらず、玉を仕向けるのはまだ難しいと指摘された。こうしたなか、欧トレーダーは2日までに、10月25~27日韓国積みMR船型をFOBベースで同市況に対し、1.25ドルのディスカウントで販売した。市場関係者によると、同社はこのカーゴを豪州に持ち運ぶ予定とみられていたが、このところのフレート高を考慮して転売した可能性があるという。
重油 需給緩和がLSFO相場を下押し 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は弱含み。アジア域内の需給緩和感の台頭を受けた。市場関係者によると、韓国積み品の商談水準は、FOBベースで同市況に対し40ドル程度のディスカウントとの見方が伝えられた。同市況対比で40ドル台前半のディスカウントとの見方を示すプレーヤーも見受けられた。精製マージンが堅調で、域内で低硫黄重油の生産を増やす石油会社がいるとの見方があるうえ、中国の需要が今後、減少基調をたどるとの観測が浮上している。
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