LNG=9月30~10月4日:地政学リスク台頭も売り物多く
DES北東アジア相場は先週、期近着は13.00ドル前後とレンジ内の動きで推移した。イランがイスラエルをミサイル攻撃し、中東の地政学リスクが台頭したが、東アジアは売り物が多く、上値も重かった。 複数の売り手が11月着の販売に積極的な姿勢を示している。中国石油天然気(ペトロチャイナ)と欧トラフィギュラは11月中旬着の売唱えを11月限の北東アジアのスポット市況に対して5セントのディスカウント~フラットで提示。欧ビトールと英シェルにも11月着の販売余地がある。サウジアラビア国営サウジアラムコは12月中旬着を12月限の北東アジアのスポット市況に対して20セントのプレミアムで売り唱えている。 露サハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)を運営するサハリンエナジーは9月30日応札の締め切りで実施していたDESベースの入札を通じ、12月着1カーゴを13.40ドルあるいは北東アジア着のスポット市況対比20~30セントのディスカウントで中国プレーヤーに販売したとみられている
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 イスラエルとイランの緊張が高まるなか、「イスラエルにある米シェブロンのタマルガス田やリヴァイアサンガス田が停止しているとの指摘がある」(日本企業)との情報が寄せられた。その後、両ガス田の停止はイランのミサイル発射に対応したもので、すでに生産を再開したとの情報も入った。
露ガスプロムは契約どおり、ウクライナ経由で欧州に天然ガスの輸出を続けている。ノルウェーもガス田やガス処理施設の定修が概ね終了したことで、ガスの供給量は回復傾向にある。ただトロールガス田で2日、急遽修繕作業が始まった。4日に終了する予定だが、期間はこれ以上に伸びる可能性がある。修繕作業中は日量4億立方フィート分の供給が減少するが、「減少量が少ないため市場への影響は軽微」(日本企業)との指摘が寄せられた。
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