原油・コンデンセート=9月16~20日: 中国勢が11月アッパーを大量買い
中東原油/コンデンセート 11月積みアッパーザクムの市況連動相場は上昇した。これまで調達量を抑えてきた中国企業がスポット購入に動きを見せたことで、市場のセンチメントが強気に振れた。中国国際連合石化(ユニペック)は17日、計4カーゴをスポット購入した。ユニペックは今回、大型原油タンカー(VLCC)1隻を仕立てて、4カーゴをまとめて輸送する意向とみられる。ユニペックの他に中国企業では、中国中化(サイノケム)が仏トタルエナジーズから2カーゴを手当てしている。この他、アラムコトレーディングが、恒力石化(Hengli Petrochemical)から2カーゴをスポット調達したとの情報も寄せられた。さらに、19日の市場では、成約価格は不明ながら、中国の独立系精製会社ユロン石油化学(Shandong Yulong Petrochemical)が11月積みをまとめて4カーゴスポット購入した。ユロン石油化学は、中国山東省の製油所・石油化学コンプレックスプロジェクトで精製能力が日量40万バレルの常圧蒸留装置の稼働開始に向け準備を進めている。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 10月積みのスーダン産ナイルブレンドの市況連動相場は、大幅安となった。ここにきて低硫黄重油のクラックスプレッドが急速に悪化していることが相場の重石となった。アジアにおける期近積みの低硫黄重油のクラックスプレッドは、9月19日現在でドバイ市況に対して9.63ドルのプラスとなり、9月初めと比べて2ドル以上悪化している。インドの石油ガス公社(ONGC)は既報のとおり、16日に締め切った10月積みのナイルブレンドの販売入札で、対象となる10月18~20日積みの60万バレルを欧州のビトールへ販売した。その後、価格はDTDブレントに対し3ドル台のディスカウントだったことが判明した。
南方原油/コンデンセート ベトナム産の11月積みチムサオの市況連動相場は下落した。ベトナム国営PVオイルが12日締め切りで実施した11月16~20日積みのチムサオ30万バレルを対象とした販売入札は、ベトナムのビンソン石油精製(BSR)がDTDブレント指標に対して4.20ドル前後のプレミアムで落札したもよう。BSRおよび中国国際連合石化(ユニペック)が先に購入した10月積みの成約価格を、2.50ドル以上下回る水準となる。ベトナムをはじめ、タイやシンガポールなど東南アジアにおける中間留分を中心とした精製マージンが悪化に転じており、需要家の多くがチムサオの評価を引き下げている影響が出たようだ。
|
|