アジア石油製品=9月16~20日:ガソリンは変わらずも供給減の可能性
ガソリン 供給減の見通し 韓国積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、供給減の見通しが強まっている。韓国では、S-オイル、現代オイルバンクおよびGSカルテックスなどが10月積みのスポット販売を見送る方針という。国際原油市況の下落に伴い国内価格が下がり、10月末には油類税の還元も予定されているなか、内需が増えている。一方、精製マージンが悪化しているため、石油会社はガソリンの生産を抑えている。SKエナジーとGSカルテックスは残渣油流動接触分解装置(RFCC)の稼働を引き下げているもよう。中国では政府が新しい輸出割当量を通達しており、石油会社は来週以降に10月積みの販売を本格化しそうだ。ただ、10月上旬に国慶節の大型連休を控えていること、ガソリンの精製マージンが低迷しているため、石油会社はスポットの販売を抑える公算が大きい。
ナフサ 需給の先行きタイトの観測 11月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。製油所稼働引き下げによりナフサの精製が減少し、供給がタイト化する可能性が指摘されている。市場関係者によると、韓国でナフサの生産が減少しているとの情報が聞かれた。期先にかけても需給は引き締まりやすいとの声が聞かれる。2025年はナフサクラッカーの定期修理が24年と比べて少なく、ナフサ消費の減退が少ない見込み。24年12月ころから、中国などで新規のナフサクラッカーの立ち上げも予定されている。一方で、ナイジェリアからの玉が減少しているという。
中間留分 ジェット燃料で中国勢による売り気増幅の可能性 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、今後は中国から10月積み品の売り圧力が増すとの見通しが広がった。中国政府は第3回の輸出割当量を国営石油会社に通達した。石油製品の数量は800万トンとほぼ市場の予想どおり。ただ、採算性の観点から中国石油各社はガソリン、軽油よりもジェット燃料の販売に注力する可能性が指摘される。 スペイン石油大手のセプサ、イベリア航空、ブエリング航空などが、2050年までにスペインの航空産業での脱炭素化を実現するためのレポートをまとめた。実現には国内で30カ所以上の持続可能な航空燃料(SAF)生産工場を建設する必要があるとしている。スペイン国内で2050年までに1,400万トンのCO2削減を目指す。 北東アジア積みの0.001%S軽油の市況は先週から上昇。中国からの販売量が少なく、需給緩和感が後退している。また、フレートが下落しており、FOBベースの取引価格の底上げにつながったようだ。
重油 供給引き締まりがLSFO市況を押し上げ 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇。アジア域内の供給引き締まりが強材料となった。シンガポールを中心とするアジア域内では余剰感が後退している。市場関係者によると、韓国石油会社が販売した10月積みMR船型の0.5%S重油は、中国向けとして成約されたもよう。ただ、このところアジア市場ではガソリンの精製マージンが低迷する一方、低硫黄重油(LSFO)のマージンが堅調に推移している。このためLSFOの得率引き上げを検討する石油会社もあり、今後、供給が増加するとの観測も浮上している。
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