LNG=9月9~13日:INPEXが買い付け
DES北東アジア相場は先週、下落した。期近着は12.80~13.10ドル前後で推移した。原油安を背景に欧州の天然ガス市況が急落したことを受けた。このなか、INPEXが10月前半着の調達に動いた。 INPEXは東京時間12日10時30分に、DESベースで開示していた買い付け入札の応札を締め切った。対象は10月13~15日姫路基地(年間受入能力550万トン)あるいは泉北基地(同1,190万トン)着の1カーゴ。姫路基地と泉北基地を保有する大阪ガスは通常、FOBベースで年間80万トンの豪イクシスプロジェクト(年産890万トン)出しの長期契約玉を引き取っている。INPEXがオペレーターを務めるイクシスプロジェクトで7月中旬から生産不調が続いているため、INPEXが代替供給を確保する目的で、今回の買い付け入札を開示したと市場関係者はみている。 中国向けでは、国際相場の急落がスポット需要を喚起すると見込まれている。しかし、いまのところ買い手の大半は様子見に徹しているようだ。北京など華北では夜間の最低気温が20度を下回るようになり、気温の低下とともに冷房用の発電需要が後退している。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 エジプトの入札がDES中東相場に及ぼす影響について、LNGコンサルタントのトビー・コプソン氏は「短期的には相場は織り込み済みだが、広く需給バランスに影響を及ぼすものではない。幾分供給余力がなくなるとはいえ、現在需給は非常にバランスしている」との見方を寄せた。
原油価格が大きく下がったことで、LNGの大半をブレント原油市況連動で輸入するアジア諸国でLNGの輸入コストが低下するとみられる。このため「相対的に割高に映るスポットカーゴが欧州に向かいやすくなり、欧州の需給緩和感が強まる可能性がある」(Vanir Global Markets=ジェームス・ウィスラー・マネージングディレクター)と伝えられた。
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