アジア石油製品=9月2~6日:ジェット燃料の販売増、リグレードがプラス圏で推移
ガソリン CPCから追加の買いが浮上 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。台湾中油(CPC)が9月着として入札を通じて追加の買いに乗り出している。対象は9月15~30日着の25万バレルで、スペックは92RON、95RON、98RONガソリンのいずれか。応札の締め切りは3日、その価格の有効期限は6日。7月下旬に同社の大林製油所(日量35万バレル)で残渣油流動接触分解装置(RFCC、日量8万バレル)がトラブルで稼働を停止しており、当初は8月末に再稼働を目指していた。
ナフサ プレミアムは上値重く、荷余り感受け 10月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落。荷余り感を受けた。オレフィン全体の採算性の回復が不十分とあり、ナフサクラッカーの稼働が上がる兆しは見られず。また、ガソリン市況が下落基調にあり、ガソリン基材用にナフサを溜め込む必要性が低下していると見る向きもある。 韓国の石化1社は入札を通じて、10月後半着および11月前半着ナフサを購入。成約価格はCFRベースで同市況に対し、10月後半着が3.00ドルのプレミアム(30日前評価)、11月後半着が1.00ドルのプレミアム(45日前評価)だった。 なお、ガソリン市況安を背景に、日本や韓国の一部精製会社のなかで、残渣油流動接触分解装置(RFCC)の稼働率の引き下げを検討する気配があると伝えられた。RFCC稼働が低下した場合、プロピレンの供給減につながりそうだ。
中間留分 ジェット燃料は下落、一方で軽油は上昇 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落した。北東アジアの供給が増加している。先物市場で期近9月現のリグレードがジェット燃料高に振れていることを好感し、中国を中心とした北東アジアの石油会社がジェット燃料のスポット販売を増やしている。 スペインの大手航空会社イベリア航空は、グループ会社の施設で、持続可能な航空燃料(SAF)を5%混合したジェット燃料の燃焼実験を始める。SAFは同国石油大手のセプサが生産。年間36万トン以上を供給する予定だ。有機廃棄物や廃食油を原料に使用するという。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。販売量の減少とフレートの下落が強材料視された。シンガポール先物市場でジェット燃料と0.001%S軽油の格差を示すリグレードが9月限でプラス圏になるなど、軽油の採算性が低下。輸出割当量が不足している中国勢が採算の良いジェット燃料の輸出を進めるなどした。これにより、足元で軽油の販売量が減少した。また、フレートも再び下落し始めたといい、FOBベースの取引価格の底上げにつながったとみられる。
重油 アジアでVLSFO市況堅調に推移 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。10月積み玉の商談時期を迎えているものの、新たな売買唱えは聞かれない。このところアジア域内でVLSFOの精製マージンや市況連動価格が堅調に推移する一方、ガソリン市況が悪化しているため、「残渣油接触分解装置(RFCC)の稼働を引き下げる動きが出る可能性もある」(韓国石油会社)との声が聞かれた。北東アジアでもバンカー市場で需給に引き締まり感が台頭している。
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