環境省・環境研・JAXA=24年のCO2増加、過去14年で最大の3.5ppm
環境省、国立環境研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、2024年の二酸化炭素(CO2)増加量が過去14年間で最大の3.5ppm(ppm:百万分の1)に達したと発表した。共同で運用する人工衛星「いぶき」(GOSATシリーズ1号機)の観測により、地球全体の平均値である全大気の平均濃度を算出(速報)した。最大となった理由としては、南米の赤道付近で海面水温が高い状態が続く「エルニーニョ」現象に起因する高温や干ばつ、森林火災によるCO2排出量の増加、陸域植生の面積や光合成量の減少、人間活動の活発化による排出量増加の影響などが考えられるという。 CO2の全大気平均濃度は2010年には388 ppmだったが、その後右肩上がりに上昇し、2024年には421 ppmを超えた。年間の増加量は、過去14年間の平均値は2.4 ppmだったが、2024年に3.5 ppmとなり、これまでの最高値である2016年の3.1 ppmを上回った。日本の2024年の平均気温も、基準値(1991年から2020年の30年平均値)からの差が+1.48度(セ氏)と、1898年の統計開始以降、2023年を上回り最も高い値となった。 GOSATシリーズは環境省と環境研、JAXAが連携して推進する地球観測衛星のプロジェクト。宇宙から主要な温室効果ガスであるCO2やメタンの大気中濃度の観測を行うことを主な目的とする。2009年に1号機、2018年に2号機を打ち上げ、これまで15年分以上のデータを蓄積してきた。2025年度には、温室効果ガスと水循環を観測する3号機(GOSAT-GW)を打ち上げる予定。
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