3社共同=ベトナムで炭素クレジット創出へ、サトウキビ畑で実証計画
出光興産、ベトナムの砂糖製造ラムソン・シュガー(Lasuco)、農業支援サービスのサグリ(兵庫県丹波市)の3社は2025年から同国タインホア省のサトウキビ畑で温室効果ガス削減の実証を開始する。Lasucoの契約農家が耕作するサトウキビ畑で、サグリの衛星解析技術によるモニタリングを活用した「環境再生型農業」を推進する計画。一酸化二窒素(N2O)などの温室効果ガスを削減し、炭素クレジットを創出する。2026年の事業化を目指す。 環境再生型農業とは、土壌の状態を健全に保ちつつ、改善と再生を目指し、環境保護と食糧生産を両立させることを目指す農業という。実証ではLasucoの契約農家が耕作する約500ヘクタール(東京ドーム約110個分)の農地を対象に、 サグリの衛星解析技術によるモニタリングを活用した環境再生型農業を実施する。解析技術で農地の土壌状態や作物の生育状況を把握し、肥料の種類や量、施肥のタイミングなどの最適化や作業効率化に取り組む。化学肥料の削減と有機肥料の適正使用を通じてN2O削減と土壌への炭素貯留増を図り、温室効果ガスの削減量に基づき炭素クレジット登録の検証を行う。 実証により温室効果ガスの削減効果が確認された場合、世界最大手の炭素クレジット認証機関である米ベラ(Verra)が定める農地管理改善の方法論を使用した認証手続きを行う予定。2026年以降に事業化する計画では対象農地を約8,000ヘクタールに拡大する。
写真の出所: 出光興産、ラムソン・シュガー(Lasuco)、サグリ 発表資料(23日)
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