東京都=「グリーン水素」試行取引、売却の単価300円/Nm3―入札1者
東京都は23日、「グリーン水素」の試行取引の結果について、売却単価が1ノルマル立法メートル(Nm3)*あたり300円(2種の区分共通)、購入単価が大型容器と小型容器の2区分でそれぞれ89円、230円になったと発表した。入札者は、供給側が1者、利用側の大型容器が2者、小型容器が2者だった。落札数量は期間中の輸送で大型容器が週2回、小型容器が計10回。大型は「トレーラー」と呼ばれる容器で1基の容量が2,484Nm3。小型容器の「カードル」は263Nm3。売却と購入の価格差を都が支援する。都はエネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向け、水素エネルギーの需要拡大・社会実装化に取り組んでおり、製造段階から二酸化炭素(CO2)を排出しないグリーン水素を重要な一手段と位置づける。試行取引は普及に向けた施策の一環。 試行取引を運営したのは、都と協定を締結した東京商品取引所。取引では、売り手と買い手の双方が価格を提示する「ダブルオークション方式」により水素の販売と購入の価格をそれぞれ入札で決定した。取引対象は、再生可能エネルギー由来の電力を使用した水電解によって製造され、国際標準化機構が定める規格(ISO14687 Grade-D)に準拠した水素。売買価格の決定を受け、供給者と利用者、輸送事業者は今後、3者間で輸送の調整と契約を行う。都が輸送事業者を指定し、輸送費用の一部を負担する。1月までに輸送契約を締結し、1月末から3月末にかけて水素を輸送する予定。
注) ノルマル立法メートル(Nm3): 気温セ氏0度・1気圧の「標準状態」で換算した1立方メートル(m3)のガス量。気圧や温度、湿度の影響を受けない実量を示す
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