SIJ=インドネシア水力発電に電源開発と共同出資、JCM利用を推進
ESG(環境・社会・企業統治)投資のSDGインパクトジャパン(SIJ、東京都千代田区)は13日、インドネシアの水力発電会社ムルヤ・エナジー・レスタリ(PT Mulya Energi Lestari)に電源開発と共同で投資すると発表した。SIJはこれまでに子会社を通じてムルヤの事業を支援しており、今後の事業拡大に向けて電源開発と共同出資会社を設立した。電源開発の発表によると、同社は共同出資会社を通じムルヤの株式の27.23%を取得した。SIJと電源開発はムルヤが運営する発電事業で二国間クレジット制度(JCM)の利用を促進する。JCMは、途上国に技術を提供して温室効果ガスを削減し、その一部を自国の削減量に算入できる制度。 ムルヤは、北スマトラを中心に6件の水力発電プロジェクトの開発と運営を手掛ける。6件のうち運転開始済みが1件、建設中が1件、開発中が4件。プロジェクトの規模は発電容量で合計5万2,500kW。同社は、河川の水をそのまま引き込み水量と落差で発電する「流れ込み式(自流式)」の設備を開発する。流れ込み式の水力発電は貯水のためダムを必要とする他の方式に比べ環境への負荷が小さく、水量が年間を通して安定しており落差が大きい河川が多く存在する北スマトラに適しているという。 ムルヤの水力発電プロジェクトはJCMを活用しており、再生可能エネルギーの拡大を通じてインドネシアの温室効果ガスの排出を削減し、日本にもその削減量が割り当てられる。SIJと電源開発はムルヤへの共同出資により、JCMの取組を推進する。両社の共同出資会社はムルヤがJCMにより取得する炭素クレジットを取り扱う。
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