欧州=欧州委員会が中国産バイオディーゼルに関税を設定、SAFは除外
欧州委員会は19日、中国産のバイオディーゼルに対する企業ごとの暫定輸入関税率を発表した。安価な中国産バイオディーゼルの輸入増に伴い、欧州域内のバイオ燃料生産および供給事業者の事業縮小や撤退が相次いでいることから、こうした事業者を保護することが目的という。
中国のバイオ燃料企業は4週間以内に関税が課される。企業ごとの税率は、エコセレスグループが12.8%、嘉澳グループが36.4%、卓越グループが25.4%、その他関連企業が23.7%、残りの39社が36.4%となる。ただし、持続可能な航空燃料(SAF)は暫定関税措置から除外した。ただし、欧州バイオディーゼル委員会(EBB)は、中国のSAFの生産や供給事業者にも関税を課すよう働きかける見通し。
トレーダー筋は、関税措置が明らかになり中国産HVOやUCOMEの輸入が増えるとの見方を示した。ただ、環境保全を意識したバイオ燃料の精製プロセスは統一されておらず、GHG削減率に対し不透明感が強まっている。また、バイオ燃料自体の需要の伸びは弱く、バイオディーゼルの在庫余剰感が高まるとの警戒感も聞かれた。
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