欧州エネルギー取引所(EEX)が運営する日本の電力先物市場は、価格固定ニーズの高まりを追い風に、1月下旬以降、過去にないハイペースで取引が急増している。1月27~31日の約定数量は3,078.67GWh(30億7,867万kWh)に達し、1月20~24日の3,078.43GWh(30億7,843万kWh)をわずかに上回り、週間ベースの過去最多を2週連続で更新した。さらに、1月の月間約定量は11,111GWhと、10TWhの大台を一気に突破。第1週の年始期間を除き、1月は実質的に3週間だけの営業だったものの、昨年12月の6,773GWhから62.3%の大幅増となり、月間ベースの最多記録を塗り替えた。これまでの過去最多は昨年11月の8,958GWhだった。
新年度入りを控え、25年夏季(4~9月)と冬季(10~3月)のシーズン物を組み合わせ、年間ベースで電力価格をヘッジする取引が一段と活発化。ベースロードだけでなく、ピークロード(平日8~20時)のシーズン物も約定が散見された。月間物では、火力発電所の定期修理入りが本格化し、不需要期における相場急騰が懸念される25年3月の約定が急増した。
また、EEXは今月3日から、日本の電力先物オプション取引を開始する。東京と関西のベースロードを対象に、各受け渡し月の月間平均値のヘッジ機会を提供する。
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