欧州エネルギー取引所(EEX)が運営する日本の電力先物市場は、気温低下に伴う冬場のヘッジ需要の拡大を受け、取引好調が続いている。リムの集計によると、11月の月間約定量は8,958GWhと10月の7,756GWhを15.5%上回り、4カ月連続で月間ベースの最多記録を更新した。
1~11月の累計約定量も6万6,159GWhに膨らみ、2023年通年の約定量である1万8,299GWhに対する進捗率は362%に達した。足元のペースが続けば、2024年通年の約定量は2023年の4倍に到達する公算が大きい。
また、EEXは11月に季節物の対象期間を従来の4シーズンから8シーズンに延長した。さらに来年1~2月には、会計年度物(4月~翌年3月の受け渡し)を導入する予定。商品ラインアップの拡充により、柔軟的かつ機動的な価格ヘッジが可能となるため、EEXの電力先物は今後も流動性の向上が見込まれる。
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