シンガポール航空(SIA)グループはこのほど、バイオ燃料大手ネステから持続可能な航空燃料(SAF)・1,000トンを購入した。同国にあるネステのバイオリファイナリーから出荷される国産品を使用する。今年の第4~6月期と第10~12月期の2回に分けてSIAに納入するもよう。ネステのシンガポール生産設備から初めての航空会社への販売となるという。
SIAグループは世界トップレベルのシンガポール航空と、格安航空会社スクートの2社を運営している。同グループは昨年、2030年までにSAF使用比率を燃料全体の5%まで引き上げると発表。2050年までにCO2排出量の実質ゼロ達成(ネット・ゼロ)を狙う。
シンガポール政府は今年2月、2026年から同国出発便に対しSAFの1%使用を義務づけることを決めた。同時に出発便の航空旅券にSAF課徴金を導入する。搭乗者にもコストを転嫁することで、SAF使用拡大を容易にする。
SAFは廃食油やバイオマス由来の原料により生産する航空燃料。現状のインフラを活用できるうえ従来型燃料に比べて温室効果ガスの排出量を大幅に削減できると見られている。
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