LNG=9月2~6日:アーブ玉が北東アジアへ流入
DES北東アジア相場は先週、下落した。期近着は13.20~13.50ドル前後で推移した。世界的に需給の緩和が強まり、上値が重くなった。 北米や西アフリカ出しのアーブ玉が北東アジアへ流入しているという。中国石油天然気(ペトロチャイナ)、欧ビトール、英セントリカに10月後半着~11月前半着の販売余地があるほか、独EnBW(Energie Baden Wuerttemberg)と欧グレンコアが期近の10月前半着を供給可能な状況だ。 露サハリンエナジーが3日応札の締め切りで開示していた入札を通じ、10月末にサハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)で積み込む1カーゴを、11月1~5日北東アジア着のDESベースで、中国プレーヤーに北東アジア着のスポット市況リンクで販売したと伝えられた。市場関係者によると、落札価格は13ドル台前半~半ばに相当する水準だったようだ。日本や中国の需要家もスポット市場での転売を検討中とみられており、供給過剰感に拍車をかけている。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド国営石油(IOC)は8月29日に応札を締め切った入札で、10月11~16日着のカーゴを13.60~13.70ドルで購入した。この入札の対象は10月11~16日着に加えて、9月25~29日着のカーゴだった。ただ、IOCは9月着の購入を応札価格の高さを理由に見送った。
ガスインフラストラクチャーヨーロッパ(GIE)によると、欧州域内のガス在庫は2日時点で貯蔵能力の92.52%と、9月入り後も増加を続けている。さらに洋上には荷揚げ待ちのために滞船している船舶が増えつつあり、供給潤沢感が強い。またロンドンやパリなど欧州の主要都市では日中の最高気温が20~25度を推移しており、冷房用の電力需要が後退している。
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