第224回 ~未利用材の活用方法とは~の巻(2023年6月7日)
未利用材って言葉を最近よく聞くのだけれど、何のことだろう?
面白いところに目を付けたわね。
使われていない材木ってこと?
林業の間伐や主伐で伐採された木材のうち、未利用のまま林地に放置されている木材のことを指すのよ。
これらの木材は利用されていないのかな?
未利用材は、伐採後は森林の中に放置されることが多く、運搬するために路面を整備する必要があるし、運搬コストも掛かるなど課題が山積みなのよ。ただ、最近では未利用材はバイオマス発電の燃料として利用が進んでいることから、森林資源の有効活用に繋がっているわね。加えて、森林資源を多く抱える地域は過疎化が進行していることが多いから、木質バイオマス発電所を設置することで新たな雇用創出にも貢献しているのよ。ほかにも、農業ハウスや魚介類養殖場の近くに木質バイオマス発電所を設置し、発電で発生する余熱を室内温度や水温度の調整に利用する例も出てきているわ。これは農業・水産業のコスト低減やCO2削減に役立っているわね。
製材工場や建設現場でも残材が発生していて、こちらはほぼ利用されていると聞いたのだけれど、これは未利用材とは違うの?
製材工場では樹皮や背板あるいはのこ屑などの残材が発生しているものの、そのほとんどは製紙原料や燃料用、家畜敷料として利用されているのよ。家畜敷料は牛などの家畜の寝床に敷くもので、稲ワラやオガクズ、モミガラのことね。
建設現場では土木工事の解体の際に木材が発生し、こちらも燃料用や製紙原料、木質ボード原料として利用されているわ。木質ボードは木材資源を高度利用して成形する木質製品で、木材やその他の植物繊維を主原料として繊維化してから成形するファイバーボード(繊維版)、木材やその他の植物繊維質の小片に合成樹脂接着剤を塗布して成形されるパーティクルボードがある。木質ボードは住宅資材、家具、木工資材、工業用資材として幅広く利用が進んでいるわ。
なんで木材を成形して木質ボードを作っているのかな?
様々な要因が考えられるんだけど、世界的に資源不足が叫ばれているなかで、日本でも木材資源の有効利用に関心が寄せられていたの。具体的には、森林資源を木材資源として生産した後も、効率的な消費を可能にするために木材の高度利用が検討されたのね。こうして木質ボード産業が立ち上がったみたいね。木質ボードは製品歩留まりがきわめて高いことや未利用材も利用できることから注目を集めたのよ。
未利用材と比べて製材工場や建設現場で発生する残材は比較的、利用が進んでいるんだね。森林資源について関心が深められたよ!ありがとう!
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(文:徳武 )
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