第193回 ~トリガー条項とは? ~の巻(2022年3月16日)
今朝ニュースをみていたら国会議員が「トリガー条項の凍結解除が必要だ」と話していたよ。トリガー条項って最近よく聞くけど、いったいどんな意味なんだろう。
ガソリン、軽油にかかっている税金を引き下げる制度のことだよ。燃料油の価格高騰を抑える目的で2010年に導入された。我々が購入するガソリン、軽油には消費税以外に「ガソリン税」、「軽油引取税」という税金が課せられているのは知ってる?
「やさえね第158回」で話題になったから覚えているぞ。ガソリン税はリットルあたり53.8円、軽油引取税は32.1円だよね。
そうそう。このガソリン税53.8円、軽油引取税32.1円は本来の税率である「本則税率」に国、地方自治体の財源を補う「特例税率」を上乗せし構成されているんだけど、トリガー条項はこの上乗せ分である特例税率の徴収を止め、国民負担を軽くしましょうという措置なんだ。
特例税率とはいくらになるの?
ガソリン税で25.1円、軽油引取り税で17.1円になる。つまりトリガー条項が発動すれば、小売価格を特例税率分安くできることになる。
ガソリン税で53.8円のうち25.1円、軽油引取税で32.1円のうち17.1円となると、結構上乗せされているんだねえ…。トリガー条項の発動条件はどうなっているの。
総務省の「小売物価統計調査」の全国ガソリン平均価格が3カ月連続で160円を超えたら発動、3カ月連続で130円を下回ったら解除となる。
ちょっと待って…いまスマホで総務省のWEBサイトをみたところ、すでに発動条件はクリアしているようだけど、まだ発動していないよね?なぜだろう。
それは東日本大震災の復興財源を賄うため、発動が凍結されているからなんだ。凍結解除は法改正も必要で今すぐ発動というのは難しい。
なるほどなあ。だからこれだけガソリン高騰がニュースになっても政府はトリガー条項ではなく「やさエネ第191回」で学んだ補助金で対処することにしたんだね。
トリガー条項だと恩恵を受けられるのは特例税率があるガソリン、軽油に限られるしね。北国の必需品である灯油の価格は抑制できない。あと税収への影響も大きいんだ。トリガー条項を発動すれば国、地方自治体を合わせて年間1兆5,000億円規模で税収が減るといわれている。減った分をどう補うのか議論が必要になる。
発動にはいろいろ課題があるんだね。ありがとう。勉強になったよ!
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(文:西江 )
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トリガー条項とは?
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