第192回 ~そのプラスチック、何から作られている? ~の巻(2022年3月2日)
かめりん、お弁当買ってきたよ!一緒に食べよう~
最近は色々なお店でテイクアウト出来るから助かるわね。
そうだね、どのお店もテイクアウトの容器を用意しているよね。レジ袋の使用を減らす動きがある一方で、プラスチック製品を使う機会は増えているような。
そういえば、飲食用の容器や使い捨てマスクとか、コロナ禍で使用量が増えたものにはプラスチック製が多いわよね。
調べてみると、20年度に家庭から回収したプラスチックごみの量は前年度比で約4%増えて、過去10年で最多だっていう記録があるよ!(日本容器包装リサイクル協会調べ)
いま私たちが使っているプラスチックは大半が石油由来だから、需要が増えているのと、最近の原油高で、プラスチックの原料代や製品代も上がっていると聞いたわ。
原油価格の高騰でガソリン代が上がっているだけじゃなくて、お弁当代も上がるかもしれないね。もしかするとこれを機に、石油を使わずにプラスチックを作ろうっていう流れになるんじゃないかしら?
そうみたい。原油価格の影響を受けにくいし、環境に配慮できるっていうメリットで、植物由来のプラスチックの研究開発が企業の間で広がっているそうよ。いま注目の素材が「ポリ乳酸」!
う、難しい名前。。
100%植物から作り、土の中で微生物が分解できる生分解性があるの。植物由来のバイオプラスチックのなかでも、特に世界で生産量が増えている素材ね。商業利用も始まっていて、カトラリー(フォークやスプーンなど)やごみ袋にすでに利用されているそうよ。
植物だったらどんなものからでも作れるのかしら?
主にはサトウキビやトウモロコシから作られるんだけど、最近では木材から作る方法も開発されたのよ。製紙会社の王子ホールディングスが、木材から取り出した繊維でポリ乳酸を作ることに世界で初めて成功したってニュースになっていたわ。
サトウキビやトウモロコシって日本であまり生産されていないイメージだけど、木から作ることができれば環境に配慮した国産プラスチックが作れるということになるね!
それに、サトウキビやトウモロコシは食用や飼料用として使われているから、もしもプラスチック用にばかり供給が流れたら食糧問題に発展してしまう可能性もあるわ。木材は食用利用されない、いわゆる「非可食」だがら、食べものと競合しない点も注目されているの。
なるほど。バイオプラスチックの生産が増えればいいだけじゃなくて、何から作られているのかも重要な視点になっているんだね。
そのとおりね。そして、作る側だけじゃなくて、私たち使う側もポイントをおさえて、より環境にやさしいものを選べるようにしたいわね!
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(文:柏原 )
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