第174回 ~中国で続々と!PDHってなんだ? ~の巻(2021年6月16日)
よ、読めない・・
どうしたの、うさりん?難しい顔して。
LPGレポートを読んでいたら、見慣れない中国の会社名がたくさん出てきたから、読み方を調べていたんだ。
PDHプラントを運営している会社ね。中国ではPDHプラントが沢山立ち上がっていて、次から次へと新しい会社が出てくるから覚えるのが大変!
PDHはプロパン脱水素(Propane Dehydrogenation)装置の略称だね!っていうのは分かるんだけど、いまいちどういうものなのか分からないなぁ。
一緒に調べましょ。原料はLPガスの成分のプロパンで、製造するのはプロピレンね。
プロパンとプロピレン、名前は似ているけど違いはなんだろう?
どちらも炭化水素と言って、炭素と水素で構成されている物質ね。含まれる炭素の数が3つなのも一緒。違うのは炭素同士の結びつき方なのよ。簡単に言うと、炭素には結合するために使える手が4本あるんだけど、1本ずつの手で炭素同士が結びついているのがプロパン。2本の手で結びついているのがプロピレンなの。2本の手で結びつくことを「二重結合」と呼ぶわ。
名前が似ているなぁと思ったら、ちょっとの違いなんだね!プロパン脱水素というからには、プロパンから水素を取ってプロピレンを作るってことかな?
そのとおり。またまた簡単に言うと、プロパンの炭素から結びついていた水素を取ると、炭素の手が余るわよね。それで炭素同士の二重結合を作るとプロピレンになるというわけ。
ふむふむ。プロピレンはプラスチックの原料になるんだよね。
プロピレンを沢山つなげたものがポリプロピレンで、プラスチックの種類の1つね。わたしたちがよく目にするのはお菓子の包装とか、CDやDVDのケース。熱に強いから電子レンジで使えるお弁当容器や食品のトレイにも。大きいものだと洗濯機や自動車にも使われているわ。
あれ、中国でPDHプラントが沢山建設されているって聞くけど、プロピレンはそんなに需要が拡大しているのかな?
需要もそうだけど、供給面でも理由があるの。プロピレンと、同じくプラスチックの原料になるエチレンは、どちらももともと原油を蒸留して出てくるナフサを分解して作っているの。だけど最近はシェールガスからエチレンをつくるプラントが増えてきて、相対的にプロピレンの製造量が足りなくなってきたから、プロピレンを作るPDHの技術に注目が集まっているという背景があるそうよ。
シェール革命がきっかけになったのか!なるほどね~。
石油化学レポートでは、プロピレンの市場動向や、原料のLPG価格とプロピレンの取引価格を比較して、PDHプラントがどれくらいの損益を得ているかも掲載しているわ。プロパンとプロピレンの関係が分かったところで読むと理解が進むわね。
そうだね!つぎは石油化学レポートを読むことにしよう!その前に中国の会社の名前の読み方調べていたんだった、、ニンポー、、フーヂェン、、うーむ。
ふふふ、まだまだかかりそうね、加油!(がんばって!)
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(文:柏原 )
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