アジア石油製品=3月17~21日: ナフサ市況が強含み、中国向けの買いが活発
ガソリン オキシー品、供給減で市況上昇 オキシー品の市況が上昇した。供給量の減少が相場を押し上げた。 市場関係者によると、製油所の定期修理や不具合により供給が細っている。市場関係者によると、4月中旬韓国積みの92RONオキシー品の成約可能な水準はFOBベースで同市況に対し、1.80ドル近辺のディスカウントとみられる。 中国では3月以降、春の製油所の定期修理シーズンに入る見通し。加えて、独立系の製油所稼働率が低く、国営石油会社はガソリン在庫を国内販売に充てているようだ。リム情報開発に調べで、独立系製油所の3月の稼働率は48.8%となっている。シンガポールの在庫が減少に転じているとの情報も聞かれた。
ナフサ OSN市況が強含み、中国向けの買いが活発 5月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場が強含んだ。中国向けの買い気が相場を支えている。中国では4~5月に定期修理を実施する製油所があると伝えられている。 こうしたなか、韓国のYNCCが5月前半着オープンスペックの買い付け入札を実施した。同社は先週、4月後半着品の調達に動いたものの、売唱えが高く、成約に至らなかった。売唱えはCFRベースで同市況に対し、20ドルのプレミアムを超えていたという。 台湾ではフォルモサ石油化学が入札を通じて4月後半積みヘビーナフサ3万5,000トンを販売した。これはFOBベースで4月の月間平均比19.50ドルのプレミアムでトレーダーが落札した。BTXの相場軟化を背景に同社は製油所において接触改質装置(リフォーマー)の稼働を下げており、ヘビーナフサの在庫が積み上がっているという。 装置関連で、エクソンモービルは中国・広東省恵州の石油化学工場で17日、新規のナフサクラッカーの立ち上げ作業を試みたと伝えられた。ただ、何らかの不調により、立ち上げは失敗した、と複数の市場関係者が伝えた。現時点で、不調の程度や原料の再投入時期は不明という。ナフサが余剰になりそうだ、とも観測されるが、転売の動きなどは今のところ聞かれていない。
中間留分 ジェット燃料、引き合い弱く軟調 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。アジア積み品の買い気は限られている。日本では灯油の需要期がほぼ終了しており、元売りによる代替としてのジェット燃料の買い気が弱い。また、米国では14日以降、全域に渡って竜巻や暴風が発生しており、これにより今後は航空機の欠航とそれによる需要減少の見通しも弱材料となった。 韓国では21日、GSカルテックスが4月22~26日積みとしてMR船型の販売入札を締め切った。同日、中国では中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の大連西太平洋石油化工(ウェペック)も3月30日~4月1日積みとしてMR船型の販売入札を締め切った。いずれも落札の結果は判明していない。SKエナジーも今週、4月中旬積みの販売を進めたが、成約は確認されていない。同社はそれ以前にも、4月10~12日積みのMR船型を米国向けに販売。価格はFOBベースで同市況対比ディスカウント圏と伝えられた。需要面では、LR船型の運賃が上昇していることもあり、アジアから域外向けのアービトラージが閉じ、欧米向けの買い引き合いが低迷している。
北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。主要な買い手である豪州の需要が弱い。3月上旬に発生した洪水の影響で鉱山の採掘用需要などが細っている。また、中東情勢の悪化により、欧州向けよりも航路として安全な豪州向けにカーゴが向けられる傾向にある。このため、北東アジア向けの引き合いが細り、需給が緩んでいるとの指摘があった。
重油 VLSFO、北東アジアで弱基調続く 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は前週末からもち合った。 市場関係者によると、アジア域内ではバンカー用需要が盛り上がりを欠く一方、北東アジアのほか、クウェートのアルズール製油所(日量61万5,000バレル)、ナイジェリアのダンゴテ製油所(同65万バレル)などからのカーゴ流入が見込まれている。「当面、余剰感が解消される見込みはない」(市場関係者)との声が聞かれた。 一方、中東のフジャイラでバンカー需要が見込まれ、一部のカーゴが持ち込まれる可能性があるようだ。
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