27日 原油は地政学リスク緩和でじり安、OPECプラスの減産に注目
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(1月限)は前日終値と比べ13セント安の68.64ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(1月限)は同11セント安の72.70ドル/バレルと、いずれも小幅続落している。 アジア時間27日午前の原油相場はじり安。バイデン米大統領は26日、イスラエルがヒズボラとの停戦に合意したことを伝えた。停戦に伴う地政学リスクの緩和を受けて、アジア時間の取引でも原油先物の下落が続いている。もっとも下げ幅は限定的だ。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリスト(=写真)は「上げ下げが交錯している状態」と指摘する。イスラエルとヒズボラの停戦合意は第三者の米国が発表したことや、イスラエルとハマスの対立も続いており、中東平和への懐疑的な見方も市場関係者の間には広がっているという。また、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が増産を延期するとの報道もあり、相場に上げ圧力も生まれている。さらに吉田氏は「WTIは2021年年末から60ドル台後半が底値となっている」と指摘し、68ドルを境にした底堅さもあった。 吉田氏によると目先の注目材料は、27日に発表される米国の10月個人消費支出(PCE)。またOPECが12月1日に開催する会合も市場の関心が高いという。 日経平均株価は前日比307円51銭安の3万8,134円49銭で推移している。ドル円相場は1ドル=152.61円と、前日の17時時点(154.04円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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